抜粋・陰謀論の構図

で、前記事で引っ張った
「検証 陰謀論はどこまで真実か」の最後に乗っていた
陰謀論の構図」。


もうちょっと短くなりそうな気もしたが
下手にイメージが変わっても嫌なので
やっぱりそのまま丸写ししよう。


もしこの本をお持ちもしくは買おうかなあと思ってる人は
329〜331ページの丸写しになります。
もし異論などありましたら※欄でどぞ。


陰謀論の構図


○「陰謀の目撃者」の語る目撃談や「陰謀論の主要論客」の解説するところの「陰謀の構図」は、後になればなるほど脚色が加わり話が大きくなっていく。ひどいケースとして、目撃談が映画に採用されると、記憶の中の目撃談に再改変が加わり映像的に映えるシーンが加えられたりする。


○有名人、もしくは分野違いの専門家が論客になっている。彼らは広告塔や人寄せパンダとして利用されている。


陰謀論者は持論への批判どころか、検証されることさえひどく恐れる。


○不自然なほど大手メディアを批判し、インターネット情報に頼り、”タブーに挑戦”を連呼する。


○持論の欠点を指摘されても直接の反論はせず、持論を繰り返すか論敵の欠点の指摘を持って反論とする。


○2次資料を多用する。


陰謀論者は陰謀論以外ではぱっとした実績がないか、陰謀論を唱えることでブレイクした人が多い。また、地位や名声目的の人、金銭的に得はなくても陰謀論活動に携わることで充実感を味わいたい人、陰謀論普及を社会活動と考える人、草の根陰謀論に参画することに喜びを見出す人と動機は様々。


陰謀論は面白いが、一般に面白い話には嘘が多い。


○規模も時代背景も異なる「実在した陰謀」を前例として引き合いに出し、「陰謀論」を説く。


○公式の証拠が多いと「不自然すぎる」と文句をつけ、少ないと「これしかないのか」と言って、どちらのケースでも納得せず陰謀論を持ち出す。


○そのものずばりのダイレクトな証拠がなく、証拠を関連付けて説明しないと事実関係が分かりにくいケースに陰謀論者は付け込み、「なぜ決定的な証拠がないのでしょうか?」と因縁をつける。証拠の総量が膨大でも、その内容は解説しない。


○「陰謀論ファン」の好みそうなジャンルに陰謀論者は目をつける。いわば、拍手する側とされる側の共犯関係が成り立ちやすいところに陰謀論を繁殖させる。


○パッと聞いてあまりに話がトンデモナイ。


○引用に間違いが多い。伝言ゲームの世界。自分でデタラメな説明をして”こんなデタラメがまかり通っています”と言う自作自演を繰り返す。


○誘導尋問を多用する。たとえばその手法は、持説に都合のよい情報のみを聴衆に提示し、「我々は事実を示すだけで、何が真相か結論を下すのは皆さんです」と、公正を装う。論敵にも同じ情報を提示し、「これを見てどう思いますか」「これだけを読んで公式説が正しいと言えるのですか」と、イエス・ノー式の単純な回答を、しかも即答せよと迫る。論敵が単純な回答をしないのを「(単純)明確に答えられない」即答できないのを「口ごもった」と批判するためである。また、多数の情報が公開済みであってもあらかじめ情報を限定して披露し、持説に都合のよい回答しか出てこないパターンを作り上げる→(1)


○議論で追い込まれた場合、もしくは陰謀論を否定せざるを得ないような場合、「わかりません。だから再調査が必要なのです」という逃げの一手に出る。→(2)


○「真相究明」を叫びながらも、自己判断すると公式説に都合のいい(持説に都合の悪い)返答をせざるを得ないことを絶対に避けるため、「自分たちの目的は公式説の疑問点を提示し、再調査の開始もしくは皆を納得させるような回答を要求することにあります」と返答する。→(3)


○上記3パターン(1)〜(3)は陰謀論者内で想定問答集としてマニュアル化されている。


○巨大権力が100の嘘をつけば、対する民間人陰謀論者は「それよりまし」「民間人の嘘で戦争が起きるわけではない」と言う感覚で、自分の嘘を99まで正当化する。


陰謀論の展開方法が進歩どころか退歩の一途を辿り、旧ファン・長期ファンに見放されても、一見さんのファン、新規ファンが参入するため陰謀論は存続する。また、一般の人から相手にされなくとも特定少数の熱狂的ファンが存在すれば陰謀論システムは自己完結し存続できる。


○一般メディアや公権力から相手にされず、ただ無視されている状態を「彼らは私たちの問いの前に沈黙しました。私たちの勝利です」と勝ち誇る。


○持論の矛盾には気づかない。


○「もし私たちの言い分に信憑性がないなら、なぜ長い間これほど多くの人が賛同してくれるのでしょうか」と言う言い回しを多用する。


○「反権力」「反権威」に魅せられた人々はだまされやすく、陰謀論者はそれに付け込む。


○事実関係再現における「正確さ」を無視して持論を説くが、正義や倫理と言う面での運動方針・活動方針の「正しさ」を盾にして反論を封じる。


陰謀論者には政治的に偏向している人が多い。


○事象に関連する報道や証言、証拠の絶対数が膨大な場合、全体の一万分の一しか不審なアイテムがなくとも「陰謀を裏付ける200の証拠」の提出は可能で、陰謀論者はそこに付け込む。


○インターネット時代に出てきた悪しき現象として、弱い立場の人でもほとんど嘘と言っていい持論を説くことが可能になった。


○公然と権力者が嘘をつけばメディアやインターネットで袋叩きに会うが、”被害者””遺族””勇気を出して他人を救った英雄”が同じ行為に出た場合、突っ込みにくいため嘘が蔓延する。


○故デイヴィッド・ハルバースタムがかつて、「軍事的知識のない人が軍事問題に興味を持つと陰謀論のとりこになる」「民主主義国家が恐怖政治国家を必要以上に恐れると、恐怖政治国家の皮をかぶってゆく」と言ったことがある。前発言は自分が無知で理解ことを「陰謀だ」と言い張り陰謀論者と貸す民衆を言い表し、後者は赤狩り時代、レーガン政権時、ブッシュ・ジュニア時のアメリカの政治状況を示している。ブッシュ大統領は退任時まで「大統領時代の一番の心残りは大量破壊兵器が見つからなかったことだ」と、最後まで誤りを認めなかったが、権力を持たない民間人が陰謀論者と貸すと権力者の傲慢が乗り移る。


最後のほうにちょっと
日本人の心情的には反発覚えるくだりもあるかもしれん。


けどもそこを流されたら
また陰謀論が入ってくると思うんだ。


あえて、あえて鬼の面かぶって
言うこともまた大事だと思うんだわ。


まぁつけたしだが
これ「全部」に当てはまるものっていうのはなかなか珍しいでしょ。

ちょっとでもあてはまる部分があれば
「ん?」と思う
「ちょっと待てよ」と、突き放して調べにかかる


それくらいのつもりで読まないと
陰謀論はどこからでも付け入ってくるよー。