抜粋ー「ローマ人の物語・迷走する帝国」より

最近どうもこの辺の
ローマの滅んでいくくだりを読んでいると、
どうも今の日本の現状とごっちゃになってくる気が
ひしひしとしてる。

今単行本化されているとはいえ
ここまで43巻(たぶんあと3〜6冊は追加ありそう)
長いけれども、もし根気があれば
ローマ人の物語はかなりお勧めしたい。

で、「迷走する帝国」上巻より、
税制について書かれたくだりを。

 ローマ帝国例題の皇帝たちの税金に対する態度が、神経質といってよいくらいに慎重であったのは驚くばかりである。まず、税制からして単純で明快。税制が複雑になればなるほど徴税に携わる人間の数も多くなり、それによって人件費が増えるだけでなく、税務担当者の恣意、つまり個人的な見解の介入する余地が広まるからである。罰をいくら重くしても、収賄や贈賄は減りはしない。公正な税制を実施したければ、税制そのものを、税理士の必要もないくらいに単純で明快なものにするしかないのである。
 公正な税制こそが善政の根幹であるといわれる由縁だが、なぜなら善政とは正直者が馬鹿を見ないで済む社会を実現することだからだが、税率を可能な限り低く抑えしかもそれを上げないことも、善政を目指すなら忘れてはならない重要事になる。人間とは自らのフトコロを直撃する政策になると過敏に反応するからで、これが暴動や反乱にエスカレートした後では軍事力で抑え込むしかなくなる。ローマ帝国の場合は、国境に配置してある軍段数では十分でなくなる。外的への防衛だけではなく国内の秩序維持にも軍団を出動させる事態が状態になろうものなら、それによる軍事力増強は軍事費増大に、そして結局は増税するしかないという悪循環に行き着くしかない。この悪循環を避けようと思えば、納税者が重税感を抱かないで済む程度で税率を抑えるしかないのであった。


っと。


だからといってゼロで済まされないから
難しいところなんですけどねぇ。


税を取っても
わかりにくい仕組みに
わかりにくい反映方法
さらに無駄に使われているという実態


だから結局
税金なんかいらないっ!って叫ぶ
勘違いさんが増えまくるんじゃあないんかなとか
思ったりしちゃったり。


事業仕分けの位置づけもきちんとしておくべきかとは思ったが、
まぁそこは今しゃべるのはやめとこw)


もうローマ帝国も後期の方で
せっかく微妙なバランスの上で成り立ってきたこの税制を
後半で現れた皇帝たちが自分の手で骨抜きにしちゃうのよね。


その場は良かれと思ってしたことでも
結局は近視眼的な見方したできんかったから
税は減収になり
結局は税制を変えて、値上げするはめに。


みんながやる気とローマ人らしさを失っていく様
それが鮮やかに書かれている。


「善政とは正直者が馬鹿を見ないで済む社会を実現すること」


なら最近の政治家ってほとんど「善政を行う者」としては失格ですよねorz